ゲームをプレイする際、私たちは様々な目標を持って臨みます。私は、これらの目標を大きく3つに分類できると考えています。
この考えは、ゲームデザインにおける「3つのレイヤー」——外的レイヤー(冒険や任務)、内的レイヤー(キャラクターの成長や感情)、テーマレイヤー(メッセージや問いかけ)——から着想を得ています。
近年のゲーム実況文化の隆盛により、単に「GOOD」な目標を達成するだけでなく、「HAPPY」な楽しみ方や「SOCIAL」な振る舞いが、プレイヤーや視聴者にとってより重要な意味を持つようになったと感じています。RTA(リアルタイムアタック)のような効率追求だけでなく、ロールプレイ、縛りプレイ、あるいはゲーム内のNPCや世界に対して倫理的に振る舞おうとする試みなどが、視聴者から多くの共感を呼んでいるのです。
しかし、現在の多くのゲームシステムは、依然として「GOOD」な目標達成へのフィードバック(報酬、スコア、演出など)に偏って提供される傾向にあります。
プレイヤーが個人的な楽しみ(HAPPY)を追求したり、ゲーム世界で倫理的な行動(SOCIAL)を取ったりしても、それに対するシステムからの明確な反応や評価が与えられることは多くありません。
私は、これからのゲームデザインにおいて、この「HAPPY」と「SOCIAL」な行動に対しても、より豊かで意味のあるフィードバックを与えることが重要だと考えます。
HAPPYとSOCIALな行動への豊かなフィードバックは、以下のような効果をもたらします。
ゲームは、システム(GOOD)を攻略するだけでなく、個人的な楽しみ(HAPPY)を見出し、時にはゲーム世界との関わり方(SOCIAL)を考える、多層的なメディアです。ゲーム実況文化は、そのHAPPYとSOCIALの側面をより際立たせました。
将来ゲーム開発の機会があれば、プレイヤーの多様な目標設定、特にHAPPYとSOCIALな行動に対して、より意識的にフィードバックを与える仕組みを重視し、その価値を体現できたらなと考えています。